教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は仕事中や休日などで自分の心と体をしっかり休めるための休息をとることについて述べていきました。今回のテーマは「考えるための時間を作ろう!」になります。みなさんは普段の業務で考えるための時間をきちんと確保していますか?忙しくて考えている暇がない状態になっていませんか?
今回は、忙しい業務の中でもきちんと考える時間を設け、それを最高のパフォーマンスに繋げるために何をすべきかについて述べていきますよ。
目次
誰にも邪魔されない時間をつくる
まず、業務に入る前に計画を立てる必要性については、第30回「休息はきちんと取ろう!」で述べていきました。前回内容をまだ読まれていない方は、業務開始前にどのようにして計画を立てて以下倍以下の説明を詳細にしていますので、これをぜひ読んでみてください。
その日にやることを業務開始前に書き出し、優先順位をつけてから業務に着手することは、業務の進行を非常にスムーズにさせます。さらに計画も15分単位で立てることにより、常に時間を意識するようなるので、業務のスピードも上がってきます。このように、業務開始前に計画を立てる時間をとってから業務を始めることは必須のことになりますから、毎日これを実行するようにしてください。
それでも、業務量が多すぎて毎日のパンク状態から抜け出せないという人もおられるかと思います。このパンク状態から抜け出すには誰にも邪魔されない時間の確保が重要になります。誰にも邪魔されない時間をどのように確保するかということを考えたとき、これは結構多くの人が経験しているとは思いますが、始業時間よりも早く来て確保するという方法があります。これは確かに電話が鳴ったり顧客の来訪がないので、誰にも邪魔されずに集中することができます。
しかし、始業開始前に会議が入ったり、取引先とアポイントメントを設定するなど、その時間を確保できないような状況に陥った時は、これをすることができません。しかも、いつもこのように始業開始前に業務をする癖がついてしまっている人は、この始業開始前の時間を最初から当てにしていることから、ここに業務時間内でできなかった業務すなわち残業を行い、かえって業務効率が悪くなっていることがしばしばです。というのは、この始業開始前に業務をしている人は、この時間帯に無駄に残業(時間外労働)をしているだけで、この残業をどう短縮していくかについて考えているわけではないからです。これではいつまでたっても残業時間が減ることはなく、永遠とその状態が続くというわけです。こういう人は、考える時間をきちんとつくってスムーズに業務を回す「仕事ができる人」にはなれないのです。
では、いったいどのようにしていけばよいのでしょうか?トーマス・エジソンは言います。「最高の思考は1人の時に生まれ、最低の思考というのは混乱の中から生まれる」と。すなわち、1人で集中できる環境を自分でつくり出すのです。集中は向こうから与えられるものではありませんから、集中できる環境に自ら飛び込んでいくしかないというわけです。例えば、スマホの電源を切り、電話も鳴らず来客もない部屋に入り込んで作業を進めるようにしていくのです。そうすれば、誰にも邪魔されずに業務に集中することができますよね。
仕事が忙しいほどより多くの考える時間の確保が必要
かつて、マハトマ・ガンジーは独立自治国家インドの建設に向けた遊説のさなかにこう言っていました。「今日は仕事が山ほどあるから、黙想の時間がいつもの倍必要だ」と。これは逆説的な事実になりますが、仕事が忙しくなればなるほど考える時間を確保することがより必要になることを述べており、むしろこうすることの方が大事になってくるのです。
というのは、忙しい状態をそのまま放置してしまうと、その状態がずっと続くことになりますが、それをどのようにして効率よく回すか考える時間をつくることで、その状態を改善することが可能になるからです。
どんなに忙しい人でも、考える時間と場所を確保することはできます。計画を立てる段階であらかじめ1~2時間の考える時間帯とその場所を確保しておき、その時間帯には他に何も予定を入れないようにしておくのです。これにより、電話や来客、会議等で自分の業務が進まなくなることを防止し、完全に自分の業務に集中できます。そうすると、誰にもどんなものにも邪魔されず、自分主導で業務を進めることができますよね。
時間を確保できたら本質的な問題を考えていく
前述のように考える時間と場所を確保することができたら、ここでは、「この忙しい状況をどう改善していくか」などの本質的な問題について考えていきます。例えば、現在進めている業務の分担が適切に行われているかどうか、人員は今のままでいいのか、それぞれが優先順位を決めて仕事を進められているのかどうか、電話の設置台数は今のままでいいのか、などについてです。こうした問題を洗い出し、その改善策を立てて実行していくことができれば、その忙しい状況が改善されていくのは間違いないでしょう。
その他、現在のサービスをどう改善し顧客のニーズを掘り起こすにはどのようにしていけばよいかとか、競合他社とどういう点で差別化していくかなどについて考えていくことで、会社の売上・利益の増加に繋げることもできるようにもなってきます。
上記のような時間と場所を確保することは、自分の心にゆとりを持たせて気持ちを良い方向に切り替えられるようにもなります。忙しさに追われていると、このような余裕は全く生まれませんが、こうした時間と場所の確保が自分の心を充電し、現状の問題点を改善するアイデアを生み出せるようになるのです。ですから、このように計画を立てる段階で、ぜひ自分自身が考える時間と場所を確保するようにしてください。
以上になります。今回は仕事が忙しさで追われているときに、どのようにして考える時間を確保して改善に繋げていくかについて述べていきました。「忙しい」は「心を亡くす」と書きますが、心を亡くした状態では、いいものを生み出せませんので、会社にとっても顧客にとっても良いことではなくなります。ですから、ぜひ考える時間と場所の確保は1日の業務の時間内でとるようにしてください。では、また次回お会いしましょう!!
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