教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は受動的な業務をしてしまっているときにどうやってそこから脱却していくかについて述べていきました。今回のテーマは「『自分でやるのが早い病』を治そう!」になります。これは他の人に任せれば早くできる業務でも、自分でやった方が早いと判断して、自分でその業務を抱えこんでしまうことを指しており、これを「自分でやるのが早い病」とここでは呼んでいます。これは結構多くの人が大なり小なり抱えていることではないでしょうか?これによる弊害も結構ありますから、今回はこれを治していくことをメインに述べていきます。
目次
「自分でやるのが早い病」はどういう場合に起こるのか?
まず、この「自分でやるのが早い病」がどういうときに起こるのかについて考えていきたいと思います。
1つ目は、「自分がその業務のやり方に長けていて、他の人にそれを任せられない」と考えているときです。もし、自分自身がかなりの業務を抱えているにもかかわらず、他の人に任せられないという理由でその業務を他の人に振ることができないとなると、結局それでかなりの時間を要してしまい、下手をすれば締切に間に合わないという事態も発生します。
結局これは自分自身でその業務の技能を持っていることがかえって弊害になっているというわけです。
2つ目は、「他の人に振るのが面倒くさい」と考えている場合です。これは他の人に振ること自体を、他の人にその業務を押し付けるようなイメージを自分で勝手に抱いてしまい、それが原因でその業務を他の人に振ることできない状態になっているわけです。その他、今まで他の人に仕事を振った経験がほとんどなかったり、その人にいちいち説明する時間がもったいないと考えていたりすることが原因で、他の人に業務依頼しないという場合もあります。
結局他の人に業務依頼できない人は、業務依頼することによって何か言われたり面倒くさがられたりするのがうっとうしいので、それだったら「自分でやる方が楽」と考えているわけです。
3つ目は、普段から他のスタッフと話をすることなく黙々と業務をする傾向があり、他のスタッフとの関係性が薄いために、他の人に仕事を振ることができないという場合です。こういう人は話をすること自体を面倒くさいことだと考えているので、誰にも聞かずに自分勝手な業務を進めることも多いのが特徴です。ですから、他の人に業務を振れば早く終わるものでも、自分勝手に進めてやり方が違うなどのミスが起こり、他の人に迷惑をかけることも多くなるのです。
「業務は分担して行うもの」という意識を持つ
上記に挙げた「自分でやるのが早い病」になっている人の共通点として、「職場の業務は自分だけで抱えるのではなく分担して行うもの」という分担意識が根本的に欠落していることが挙げられます。だから平気で自分だけで業務を抱えこんでしまうのです。
仕事は誰のためにするかということをもう一度考えてみてください。それは、お金を支払ってくれている顧客のためにするわけですから、「顧客のためにより良いものに仕上げる」という観点を持ったほうがよいです。そして、1つのものを複数人の手を使って作業を行い、複数人の目を通してチェックを入れていくほうが良いのです。
ですから今まで「自分でやったほうが早い」という理由で業務を自分だけで抱える傾向にあった人は、今からこの考え方を改め、複数人で分担して業務を行うようにしてください。
チーム一丸となった業務を行う
仕事というのは1人でできるものではありません。数多くの人の協力があるからこそできるものなのです。これを全く意識せずに1人で業務を進めていると、やはり良いものを作り上げることはできません。
あなたは今日からチームのリーダーです。現にリーダーでなかったとしてもリーダーのつもりになってください。既にチームのリーダーになっている人は、その上の役員になったつもりになってください。
チーム全体を見て、①業務の量はそれぞれ適正な量か?②それぞれ割り当てられた業務はその人がこなせる量なのか?③それぞれ順調に進んでいるのか?④業務を進める上で障害になっていることはないのか?⑤業務を順調に進められている人は何がいいのか?の5点を把握してください。現時点で把握していなければ本人に聞いてください。
「え!?リーダーでもないのにそこまではできないよ」と思われる方がいるかもしれませんが、結局リーダーになれる人というのは、上記の5点の観点をリーダーでない時点から持っている人です。それがあるからリーダーになれるのです。逆にそれを持っていないあるいは持とうとしない人は、いつまでたってもリーダーになることはできません。
「誰もから信頼されてお金をたくさん稼げる人物になりたい」というのであれば、まずはチームのリーダーになって、チームを引っ張っていける存在になる必要があります。それができる人は確実にみんなから信頼されるようになります。ですから現時点でチームのリーダーでなかったとしても、リーダーの視点を持ってチームを見るように努め、リーダーのつもりで行動するようにしてください。
以上になります。今回は「自分でやるのが早い病」を治すことについて述べていきました。今回の述べた内容を実行することで、1人で業務を抱えこんで悶々とすることがなくなります。前述したように、業務というのはチームで協力し合って進めていくものです。あなた自身がそのチームのリーダーもしくはリーダーになったつもりになり、そのチームの中心人物として業務を進めていくことができれば、あなたは間違いなくチームで最も信頼される人物になれます。ぜひそれをめざして今回のことに取り組んでください。では、また次回お会いしましょう!!
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