教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は傾聴力をつけるために何をすべきかについて述べていきました。今回のテーマは「受動的な業務から脱却しよう!」になります。仕事を誰かからいろいろ引き受けることがあるかと思いますが、この仕事を引き受けすぎると確実に業務遂行の障害になり、締め切りまでに終わらせるのが不可能な状態に陥ることも出てきます。
第3回の「障害を取り除こう!」では、目標達成の障害になることをいかにして克服していくかのエクササイズをやっていき、第23回の「仕事ができる人になろう!」では、自分がどのようにして職場で仕事ができる人になっていくかについて述べていきました。
今回は第3回や第23回の内容では触れていないもので、依頼された業務について自分の容量を超えてしまう場合に、どのようにしてその状態に陥っている自分から脱却していくかについて述べていきます。
では、今からあなたが受動的な業務から脱却するために何をすべきかについて述べていきますよ!
受け身の姿勢をやめる
これについては、第23回の「仕事ができる人になろう!」でも触れていますが、仕事のこなし方のタイプには、自分でどんどん仕事を取りに行く積極的なタイプと、与えられた仕事だけをこなす受動的なタイプの2つが存在しています。前者は自分からどんどん動くのでほぼ問題はないのですが、問題は後者です。もともと引っ込み思案の性格で、なかなか人に言うべきことを言えないタイプの人は、この受動的なタイプになりがちです。
受動的なタイプの人は、上司や同僚から仕事の依頼を受けると、何も言えずに引き受けてしまう傾向があるので、自分の業務の容量を超えてしまうことも出てきます。そういう状況に陥っても黙って仕事をしてしまうので、当然業務もなかなか進みません。そんな中で次第に締切が近くなってきてから周りがこの状況に気づき始め、慌てて周りの人たちで分担して業務をやる羽目になるのです。受動的なタイプの人はこのような業務をしてしまうことから、周りの評価も当然低くなります。
このような受動的なタイプの人は、積極的なタイプへと自分を変えていく必要があります。これが子どもの頃であれば、「引っ込み思案な性格だから」で済まされていたかもしれませんが、大人になって顧客からお金をいただく立場になれば、そういう言い訳は全く通用しなくなります。顧客は受動的な人と積極的な人とどちらにお金を払いたいかということを考えると、間違いなく積極的な人になります。引っ込み思案な性格だけど、たくさんお金を儲けたいというのであれば、今後は仕事では引っ込み思案な姿勢、すなわち受け身の姿勢を一切やめるように腹をくくった方がいいです。
このような積極的な人になるために、第20回の「自分が理想の人になろう!」をぜひご覧になり、自分自身が周りから信頼される人物をめざしてください。
便利屋からの脱却
便利屋とは、自分の仕事への意欲を上司や同僚に見せたいという気持ちから、上司や同僚から受けた仕事の依頼を自分の業務の容量を考えることなく何でも引き受けてしまうような人のことを言います。こういう人は、周りの人からすれば、面倒な仕事を全部引き受けてくれるいわゆる「便利な人」になることから、ここでは「便利屋」と呼んでいるのです。このタイプの人は、使い勝手がいいことから周りの人に都合のいいように使われ、振り回されるのが特徴です。
ちなみに前述の「受動的なタイプの人」と「便利屋」では何が違うのかといいますと、受動的なタイプの人は言われたことだけをやる完全な「受け身の人」で意欲があまり感じられないのに対し、便利屋の人は言われたことだけをやりつつ、その意欲は感じられる点で前者と違っています。上司や周りの人たちは、意欲のある便利屋の人のほうに業務依頼をすることが圧倒的に多いのも特徴になってきます。
ただ、便利屋の人にいいことは1つもありません。便利屋の人は意欲があるにせよ、上司や同僚の「言いなりの業務」しかしていないわけで、そこでいい仕事をすれば、評価されるのは仕事を依頼した上司や同僚のほうになります。逆にミスをすれば、その責任は自分に降りかかってきます。すなわち手柄は取られて責任は取らされるのです。ですからもしあなたが便利屋になっているなら、一刻も早くその状態から脱却しなければなりません。
では、どうやって脱却するかといいますと、まず自分が仕事を依頼してくる上司や同僚に今どれだけの業務を抱えているのかの業務量を測定し、それをするのにどのくらい時間がかかるのかを算出します。そしてその結果、「ここまでは業務ができるが、このラインを超えると業務をすることが不可能」であることを主張し、それを数値で証明するのです。そうすれば説得力はかなり出てきます。そういう数値的な根拠で示した説明をすることができれば、そのラインを超えた業務をしないことで、あなたの仕事の評価が下がるどころか、逆に評価が上がるようになってくるのです。
前述のように便利屋のままでいるということは、「受け身の業務」をしていることになりますから、その立場でどんなに頑張ったとしても、残念ながら評価はされません。ですから便利屋になってしまっている人は、普段から業務量を測定し、それがどのくらい時間がかかるのかをきちんと算出する癖をつけて、便利屋を完全にやめるようにするべきです。それができれば、それにより他の業務に生かされるようになるので、あなた自身が評価されるようになるでしょう。
以上になります。今回は受動的な業務から脱却するためにするべきことについて述べてきました。今回の内容は受け身の姿勢を積極的な姿勢に変化させることができます。こうして自分が積極的な人物になることができれば、仕事そのものが本当に楽しくなってきます。しっかり取り組んで、ぜひ自分でどんどん仕事を取りに行く積極的なタイプの人になってください。では、また次回お会いしましょう!!
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